相続税申告ガイド

【相続税の未成年者控除】 要件や控除額の計算方法、複数回利用する場合の注意点等

この記事をシェア

遺言書による遺贈や代襲相続で相続人となった孫が未成年の場合、未成年者控除を受けることができ、相続税額を減額することができます。今回は相続人が未成年者の場合に受けられる未成年者控除の対象者と軽減額について解説します。

未成年者控除の対象者

控除を受けられる対象者は下記の要件すべてを満たす必要があります。

1.相続や遺贈により財産を取得している
2.相続や遺贈により財産を取得した時に日本国内に住所がある
※住所がない人で下記のいずれかを満たす場合は対象となります。
---------------------------------------------------
・日本国籍を有しており、相続開始前10年以内に日本国内に住所があった場合
・日本国籍を有しており、相続開始前10年以内に日本国内に住所がない場合
・日本国籍を有していない
---------------------------------------------------
3.相続や遺贈により財産を取得した時に20歳未満である
4.法定相続人であること

控除額の計算方法

控除額は、対象となる相続人が満20歳になるまでの年数1年につき「10万円」です。年数計算は1年未満の期間は切り上げます。

10万円 ×(20歳 − 相続発生日の年齢)

控除額の計算例

15歳9ヶ月の未成年者相続人の控除額は次のとおりです。

10万円 ×(20歳 − 15歳)= 50万円 
※15歳9ヶ月なので9ヶ月を切捨て15歳で計算する

控除額が未成年者の税額を上回った場合

控除額が未成年者の税額より大きく全額を引ききれない場合、引ききれない部分の金額をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。

上回った場合の控除額の計算例

長男Aさん(15歳):相続税額20万円
妻(Aさんの扶養義務者):相続税額50万円

[算出方法]
1. 未成年者控除額の計算
10万円 × (20歳 − 15歳)= 50万円(控除総額)

2. 長男Aさんの税額から控除する
 20万円(税額)− 50万円(控除額) = マイナス30万円(控除残額)

3. 残額を妻(Aさんの扶養義務者)の税額から控除する
 50万円(税額)− 30万円(控除残額)= 20万円(妻の納税額)

同じ人が未成年者控除を2回目以上利用した場合

過去の相続で未成年者を利用している場合、今回の相続での控除額に制限があるため、注意してください。
控除額は次の計算方法で算出した金額となります。
控除額の合計は扶養義務者から差し引いた分も含まれます。

1. 今回の未成年者控除額の金額
2. 10万円 ×(20歳 − 最初の控除適用時の年齢)− 今までの控除額合計

計算例

[1回目の相続]
年齢:15歳
相続税額:20万円

10万円 ×(20歳 − 15歳)=50万円(控除額)
50万円(控除額)− 20万円(相続税額)= 30万円(控除残額)

[2回目の相続]
年齢:18歳
相続税額:40万円

先程の算出方法に当てはめて考えます。
1. 10万円 ×(20歳 − 18歳)= 20万円
2. 10万円 ×(20歳 − 15歳)− 20万円 = 30万円
※20万円<30万円となる為、2回目の控除額は「20万円」となります。

相続税申告書が無料で作成できるソフト「AI相続」

AI相続バナー

AI相続は完全無料で自分で相続税申告書の作成ができるオンラインソフトです。相続税に関する知識がなくとも、フォームに沿って必要な情報を入力するだけで、税務署へ提出可能な申告書が作成できます。未成年者控除の計算も簡単にできます。

ご利用はこちら
AIによるサポートで申告書作成ができる!完全無料「AI相続」

まとめ

未成年者控除は残額を扶養義務者の相続税額から差し引くことができること、2回目からは控除税額が変わることなど、知らないと納税額を間違えてしまうこともあります。わからないこと、疑問に思ったことは専門家に相談しましょう。

みなと相続コンシェル編集部

相続財産の評価方法はもちろん、これまでの専門家とは違った考え方で相続に関する情報を誠実かつ、わかりやすく発信していきます。 自分で相続税申告書ができる「AI相続」を開発・運営しています。

無料で使える相続税申告書ソフト『AI相続』

AI相続について詳しく

当社のサービスを利用して
相続税申告にかかる費用を抑えることができます。

サポート・お問い合わせ

03-6824-7371 【受付時間】平日9:00〜18:00

お問い合わせフォーム