相続専門コラム

相続税申告書【第1表-相続税の申告書】の記載方法ー自分で相続税申告

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相続税申告書は相続税評価の難しい財産がなければご自身でも作成ができます。自分で済ますことができれば税理士へ依頼するコストを下げられ、多くの財産を残すことができます。また、相続について家族と向き合うきっかけにもなります。
ここでは相続税申告書の第1表-相続税の申告書の記載方法(国税庁が定める一般の場合)を解説します。

第1表は相続人全員の記載が必要です

ここには今回の相続における相続税に課税される財産、各相続人の税額、税額控除の一覧を記載します。
これまで計算してきたものを集約する表になります。相続人が3人以上の場合は、相続税申告書(続)を使用します。

その他帳表の記載方法はこちら
- 第1表 -
相続税の申告書
- 第2表 -
相続税の総額の計算書
- 第4表 -
相続税額の加算金額の計算書(2割加算)
- 第4表の2 -
暦年課税分の贈与税額控除額の計算書
- 第5表 -
配偶者の税額軽減額の計算書
- 第6表 -
未成年者控除額の計算書
- 第6表 -
障害者控除額の計算書
- 第7表 -
相次相続控除額の計算書
- 第8表 -
外国税額控除額の計算書
- 第8の8表 -
税額控除額および納税猶予税額の内訳書
- 第9表 -
生命保険金などの明細書
- 第10表 -
退職手当金などの明細書
- 第11・11の2表の付表1 -
小規模宅地等の特例
- 第11の2表 -
相続時精算課税適用財産などの明細書
- 第11表 -
相続税がかかる財産の合計表
- 第13,14,15表 -
各表の記載方法まとめ

相続税申告書の入手場所

相続税申告書はお近くの税務署もしくは国税庁のHPより入手することができます。
申告書は毎年7月に最新版に更新されますから、相続発生日に応じてご利用下さい。

古い申告書でも税務署は受け取ってくれますが、正しい納税のためにも最新版の申告書を利用するようにしましょう。

相続税申告書のダウンロードはこちら
国税庁|相続税の申告書等の様式一覧(令和6年分用)
国税庁|税務署の所在地などを知りたい方

第1表ー相続税の申告書の記載方法

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

相続の概要、被相続人、相続人情報

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

① 申告書提出日、提出先

被相続人が亡くなったときの住所地を所轄する税務署名、提出日を記載します。

税務署一覧はこちら
国税庁|税務署の所在地などを知りたい方

② 相続開始年月日

相続が発生した日を記入してください。

③ 各人の合計|被相続人の情報

被相続人の氏名、生年月日、職業を記載します。

④ 財産を取得した人|相続人の情報

今回相続を受ける人の氏名、マイナンバー(個人番号)、生年月日、住所、電話番号、被相続人との続柄、職業、取得原因(相続財産の受け取り方)を記載します。

※AI相続ではプライバシーの関係上、マイナンバーは自筆での記載をお願いしております。

課税価額の計算

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

① 取得財産の価額

「第11表③欄」の各相続人の金額を転記し、合計額を被相続人欄(各人の合計)に記載します。

② 相続時精算課税適用財産の価額

相続時精算課税制度を利用して財産を受け取った方がいる場合は「第11の2表1⑦欄」の金額を転記し、合計額を被相続人欄(各人の合計)に記載します。

③ 債務及び葬式費用の金額

「第13表3⑦欄」の金額を転記し、合計額を被相続人欄(各人の合計)に記載します。

④ 純資産価額

プラスの相続財産から債務、葬式費用を差し引いた金額、その合計額を記載します。
赤字の場合は「0」と記載します。

 計算式: 
「①取得財産の価額」+「②相続時精算課税適用財産の価額」−「③債務及び葬式費用の金額」

⑤ 純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額

相続発生日から3年以内に受け取った贈与財産がある場合は「第14表1④欄」の各相続人の金額を転記し、合計額を被相続人欄(各人の合計)に記載します。

⑥ 課税価額

相続税の課税対象となる金額を計算します。
1,000円未満は切捨てしてください。

計算式:
「④純資産価額」+「⑤純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額」

各人の算出税額の計算

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

(a) 法定相続人の数、遺産に係る基礎控除額

法定相続人数と基礎控除額を記載します。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人数」で計算をします。

⑦ 相続税の総額

今回の相続で支払うべき税額を記載します。
「第2表⑧欄」の金額を転記します。

⑧ あん分割合

課税対象財産全体から各相続人が取得する財産の割合を記載します。
あん分割合に小数点以下2位未満の端数があるときは、 全員の割合の合計が1.00になるように小数点以下2位 未満の端数を調整して記入しても差し支えありません。

計算式:
「⑥相続人ごとの課税価額」/「⑥課税価額の合計(被相続人の欄の⑥)」

⑨ 算出税額

相続税の総額からあん分割合に応じて各相続人の相続税額を計算します。

計算式:
「⑦相続税の総額」×「⑧各相続人のあん分割合」

⑪ 相続税額の2割加算が行われる場合の加算金額

相続人の中に2割加算の対象者がいる場合は「第4表⑦欄」の金額を転記をします。

各人の納付・還付税額の計算

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

⑫ 暦年課税分の贈与税控除額

相続発生日より3年以内の贈与において贈与税を支払っている場合は「第4表の2㉕欄」の金額を転記します。

⑬ 配偶者の税額軽減額

被相続人の配偶者は一定額税額の減額できます。
「第5表ハ又はヘ欄」の転記を記載します。

⑭ ⑫・⑬以外の税額控除額

相続人に未成年者、障害者、相続税に相応する外国税額がある場合、または相似相続が発生している方がいる場合は別途控除枠が設けられています。まず、これらの値を「第8の8表」にまとめ、その合計額をこの欄に転記します。

⑮ 税額控除額の合計

税額控除額分だけを合計します。

計算式:
「⑫暦年課税分の贈与控除額」+「⑬配偶者の税額系減額」+「⑭⑫・⑬以外の税額控除額」」

⑯ 差引税額

算出税額と相続税額の2割加算(該当の場合のみ)を足し合わせてから、税額控除の合計額を引きます。農地等納税猶予の適用を受ける場合と一般の場合で少しだけ計算式が異なります。

また、赤字の場合は「0」と記載します。

一般の場合の計算式:
「⑨算出税額」+「⑪相続税額の2割加算」-「⑮税額控除の合計額」」

農地等納税猶予の適用を受ける場合の計算式:
「⑩農地等納税猶予の適用を受ける場合の算出税額」+「⑪相続税額の2割加算」-「⑮税額控除の合計額」」

⑰ 相続時精算課税分の贈与税額控除額

相続時精算課税の利用分で贈与税を支払っている場合は「第11の2表⑱欄」の金額を転記します。

⑱ 医療法人持分税額控除額

医療法人持分税額控除額を受ける場合に控除額を記載します。

⑲ 小計

差引税額から相続時精算課税分の贈与税額控除額と医療法人持分税額控除の合計額を差し引いた金額を記載します。
黒字の場合は100円未満を切捨てます。赤字の場合は左端に「△」を記載してください。

⑳ 納税猶予税額

第8の8表の「2 納税猶予税額」で計算した金額の⑧合計をこちらに転記します。

㉑ 申告期限までに納付すべき税額

今回は⑲小計の金額から⑳納税猶予税額を差し引いた金額を記載します。
ここに記載した金額を納税します。

㉒ 還付される税額

還付される税額がある場合はこちらへ記載します。

修正申告書である場合の記載欄について

最下段には「この申告書が修正申告書である場合」という欄が設けられています。

修正申告とは、一度申告した後に見落としがあって納付する税額の修正が必要になったり、受けるべき控除を受けてなかったり適切な不動産評価の計算が出来ておらず、税金の還付を受ける場合に必要です。

修正前の合計額を記載

修正申告である場合は、修正前の㉓小計と㉔納税猶予税額、そして㉕申告納税額を記載します。

修正後の内容を記載

その後、修正申告の内容を①〜㉒まで記載して⑲差引税額から相続時精算課税分の贈与税額控除額と医療法人持分税額控除の合計額を差し引いた金額から㉓修正前の小計を差し引いて、㉖小計の増加額を求めます。

修正で必要な納付税額または還付される税額の計算

最後に申告によって納付すべき税額または還付される税額が幾らなのかを㉑納付すべき税額または㉒還付される税額から㉕申告納税額を引いて計算し記載します。

その他帳表の記載方法はこちら第1表-相続税の申告書第2表-相続税の総額の計算書第4表-相続税額の加算金額の計算書(2割加算)第4表の2-暦年課税分の贈与税額控除額の計算書第5表-配偶者の税額軽減額の計算書第6表-未成年者控除額の計算書第6表-障害者控除額の計算書第7表-相次相続控除額の計算書第8表-外国税額控除額の計算書第8の8表-税額控除額および納税猶予税額の内訳書第9表-生命保険金などの明細書第10表-退職手当金などの明細書第11・11の2表の付表1-小規模宅地等の特例第11の2表-相続時精算課税適用財産などの明細書第11表-相続税がかかる財産の合計表第13,14,15表の記載方法まとめ

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みなと相続コンシェル編集部

相続財産の評価方法はもちろん、これまでの専門家とは違った考え方で相続に関する情報を誠実かつ、わかりやすく発信していきます。 自分で相続税申告書ができる「AI相続」を開発・運営しています。

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