相続専門コラム

相続税申告書【第4表-相続税額の加算金額の計算書(2割加算)】の記載方法ー自分で申告書作成

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相続税申告書は相続税評価の難しい財産がなければご自身でも作成ができます。自分で申告できれば税理士へ依頼するコストを下げられ、多くの財産を残すことができます。また、相続について家族と向き合うきっかけにもなります。

今回は相続税の2割加算にあたる、相続税申告書の第4表-相続税額の加算金額の計算書の記載方法を解説していきます。

第4表―相続税額の加算金額計算書の記載が必要な方

この帳票は「相続税の2割加算」の対象者がいる場合に記載をします。相続税の2割加算とは被相続人の一親等の血族(代襲して相続人となった直系卑属を含む)及び配偶者以外は相続税額を2割増しする制度です。
結婚・子育て資金の一括贈与(同法第70条の2の3)を受けた場合の管理残額がある場合は合わせて第4表の付表を作成します。

詳しくはこちらをご覧ください。
相続税の2割加算で得する人、損する人ー図解で解説
国税庁|直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁|直系尊属から教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度の主な相違点

その他帳表の記載方法はこちら
- 第1表 -
相続税の申告書
- 第2表 -
相続税の総額の計算書
- 第4表 -
相続税額の加算金額の計算書(2割加算)
- 第4表の2 -
暦年課税分の贈与税額控除額の計算書
- 第5表 -
配偶者の税額軽減額の計算書
- 第6表 -
未成年者控除額の計算書
- 第6表 -
障害者控除額の計算書
- 第7表 -
相次相続控除額の計算書
- 第8表 -
外国税額控除額の計算書
- 第8の8表 -
税額控除額および納税猶予税額の内訳書
- 第9表 -
生命保険金などの明細書
- 第10表 -
退職手当金などの明細書
- 第11・11の2表の付表1 -
小規模宅地等の特例
- 第11の2表 -
相続時精算課税適用財産などの明細書
- 第11表 -
相続税がかかる財産の合計表
- 第13,14,15表 -
各表の記載方法まとめ

相続税額の加算金額の計算書の記載例

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

第4表ー相続税の加算金額の計算書の書き方

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

(a) 被相続人

今回お亡くなりになった方(被相続人)の名前を記載します。

(b) 加算対象となる人の氏名

相続税の2割加算の対象となる相続人の氏名を記載します。

① 各人の税額控除前の相続税額

加算対象となる相続人の「第1表⑨欄または第1表⑩欄」の金額を転記します。

② 被相続人の一親等の血族であった期間内にその被相続人から相続時精算課税に係る贈与によって取得した財産の価額

被相続人と一親等の血族期間に相続時精算課税制度を利用して贈与を受けていた場合、その金額を記載してください。ただし、計算方法は贈与を受けた年度によって変わります。

令和5年12月31日以前の贈与の場合

相続時精算課税の贈与で受け取った財産の金額を記載します。

令和6年1月1日以降の贈与の場合

令和6年1月1日以降の贈与がある場合は相続時精算課税の基礎控除110万円が追加されるため、その計算が必要です。

以下の計算式の贈与は、全て被相続人から相続時精算課税を利用した贈与を想定しています。

全体の計算式:
贈与で受け取った財産の金額−基礎控除額の合計

基礎控除額の合計の計算式:
基礎控除額(110万円)×贈与年数

ただし、基礎控除額の合計の計算は、贈与を受けた途中の同一年内に被相続人の一親等の血族であった期間とそうでない期間が混同している場合は、もう少し複雑な計算が必要です。

同一年内に一等親の血族関係じゃなくなった場合の、その年の基礎控除額の計算式:
その年に利用した基礎控除額×その年の一親等の血族だった時に受けた贈与額÷その年に受けた贈与額

上記の計算をした上で、他の年の基礎控除額(110万円)と足し合わせ、合計額を算出します。

③ 被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって取得した財産などで相続税の課税価格に算入された財産の価額

今回の相続で取得した財産の金額を記載します。

計算式:第1表①+第1表②+第1表⑤

④ 加算の対象とならない相続税額

この金額は一親等の血族期間分は2割加算の対象外ですからその金額を記載します。

計算式:①×②÷③

⑤ 管理残額がある場合の加算の対象とならない相続税額

「第4表の付表(A)欄」の金額を転記します。

⑥ 相続税額の加算金額

相続税額に加算される金額を計算します。この金額を「第1表の対象となる相続人の⑪欄」へ転記します。

④と⑤の金額があればそれを差し引き、ない場合は①の金額に0.2かけた金額となります。

計算式:(①−④−⑤)×0.2

第4表の付表ー相続税の加算金額の計算書付表の書き方

付表は2割加算の対象となる相続人のうち、結婚・子育て資金の一括贈与に係る管理残額がある場合のみ記載が必要です。

2 措置法第70条の2の3(直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税)第10項第2号に規定する管理残額がある場合

※記載例です。記載例の計算と申告書作成はAI相続で行っています。

(a) 被相続人

今回お亡くなりになった方(被相続人)の名前を記載します。

(b) 加算の対象となる人の氏名

2割加算の対象者のうち、教育資金に係る管理残額がある相続人の氏名を記載します。

① 各人の税額控除前の相続税額

対象相続人の各税額控除適用前の相続税額を記載します。
(第1表の⑨または第1表の⑩の金額を転記します。)

② 被相続人から相続や遺贈により取得したものとみなされる管理残額のうち、加算の対象とならない部分の金額

今回の被相続人から取得した管理残額のうち、非課税を適用して加算の対象とならない金額を計算して記載します。

計算式:A×B÷(B+C)

A:被相続人から取得した管理残高(金融機関に確認)
B:贈与税の結婚・子育て非課税を適用した金額(令和3年3月31日以前の分)
C:贈与税の結婚・子育て非課税を適用した金額(令和3年4月1日以降の分)

③ 被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって取得した財産で相続税の課税価格に算入された財産の価額

今回の相続で取得した財産の金額にあたる「第1表①+第1表②」の合計額を記載します。

④ 債務及び葬式費用の金額

負担した債務、葬式費用の合計額にあたる「第1表の③欄」の金額を転記します。

⑤ ③−④(赤字のときは0)

対象相続人の純資産価額を計算します。マイナスの場合は0となります。

計算式:③−④

⑥ 被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、相続の開始前3年以内に被相続人から取得した財産で相続税の課税価格に算入された財産の価額

3年以内に受けた暦年贈与財産にあたる「第1表の⑤欄」の金額を転記します。

(A) 加算の対象とならない相続税額

2割加算の対象とならない金額を計算します。

①を超える場合は、①の金額を上限とします。

計算式:①×②÷(⑤+⑥)

この金額を「第4表の対象者の⑤欄」へ転記します。

その他帳表の記載方法はこちら第1表-相続税の申告書第2表-相続税の総額の計算書第4表-相続税額の加算金額の計算書(2割加算)第4表の2-暦年課税分の贈与税額控除額の計算書第5表-配偶者の税額軽減額の計算書第6表-未成年者控除額の計算書第6表-障害者控除額の計算書第7表-相次相続控除額の計算書第8表-外国税額控除額の計算書第8の8表-税額控除額および納税猶予税額の内訳書第9表-生命保険金などの明細書第10表-退職手当金などの明細書第11・11の2表の付表1-小規模宅地等の特例第11の2表-相続時精算課税適用財産などの明細書第11表-相続税がかかる財産の合計表第13,14,15表の記載方法まとめ

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みなと相続コンシェル編集部

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