相続税申告ガイド
相続税申告書は難しい財産をお持ちでなければ自分でも作成ができます。自分で作成できれば税理士に依頼する分のコストも下げられますし、相続について家族でちゃんと向き合うきかっけとなり、結果として家族の不和もなくなると私たちは考えています。
今回は自分で相続税申告に挑戦したいという方に向けて国税庁が公開している最新版(令和元年分用)相続税申告書、一般の場合の記載方法を解説していきます。
相続税申告書は第1表から順に記載していくのでなく、次の図のような順で作成を進めていきます。今回は財産評価の時点で非課税枠を計算する、第9表、第10表、第11・11の2表の付表1の記載方法を解説します。
その他帳表の記載方法はこちら
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第1表-相続税の申告書
第2表-相続税の総額の計算書
第4表-相続税額の加算金額の計算書(2割加算)
第4表の2-暦年課税分の贈与税額控除額の計算書
第5表-配偶者の税額軽減額の計算書
第6表-未成年者控除額の計算書
第6表-障害者控除額の計算書
第7表-相次相続控除額の計算書
第8表-外国税額控除額の計算書
第9,10表,11・11の2表の付表1の記載方法まとめ
第11,13,14,15表の記載方法まとめ
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被相続人が契約者であった生命保険金、損害保険契約の死亡保険金、特定の生命共済金を受け取った場合に記載をします。
1 相続や遺贈によって取得したものとみなされる保険金など
支払いを受けた生命保険会社の所在地、名称、受け取った年月日、保険金額、受け取った人(相続人)の氏名を記載します。
2 課税される金額の計算
保険金の非課税限度額
生命保険金には500万円×法定相続人分の非課税枠が設けられています。
法定相続人数と計算結果を記載します。
保険金などを受け取った相続人の氏名
上段に記載した保険金を受け取った相続人の氏名を記載します。
①受け取った保険金などの金額
相続人ごとに上段で記載した保険金の合計額記載をします。
②非課税金額の合計
Aで算出した非課税額を相続人の受け取った保険金額により按分します。
計算式:非課税額の合計×その相続人が受け取った保険金額/保険金の合計額
③課税金額
受け取った保険金の額から非課税金額を差し引いた額を記載します。
ここの金額を第11表の「財産の明細」の「価額」欄へ転記をします。
被相続人の勤務会社先より支払われた死亡退職手当金、功労金、退職給付金を受け取った場合に記載をします。
1 相続や遺贈によって取得したものとみなされる退職手当金など
支払いを受けた勤務会社の所在地、名称、受け取った年月日、退職手当金の名称、受け取った金額、受け取った人(相続人)の氏名を記載します。
2 課税される金額の計算
退職手当金などの非課税限度額
死亡退職金には500万円×法定相続人分の非課税枠が設けられています。
法定相続人数と計算結果を記載します。
退職手当金などを受け取った相続人の氏名
退職手当金を受け取った相続人の氏名を記載します。
①受け取った退職手当金などの金額
相続人ごとに上段で記載した退職手当金の合計額を記載します。
②非課税金額
Aで算出した非課税額を相続人の受け取った退職手当金で按分します。
計算式:非課税額の合計×その相続人が受け取った退職金額/退職金の合計額
③課税金額
受け取った退職金額から非課税金額を差し引いた金額を記載します。
この金額を第11表「財産の明細」の「価額」欄へ転記をします。
この表は土地の相続において小規模宅地の特例等の適用を受ける場合に記載をします。
1 特例の適用にあたっての同意
氏名
小規模宅地の特例の適用を受ける土地の相続人全員の氏名を記載します
2 小規模宅地等の明細
小規模宅地等の種類
小規模宅地等の特例の種類番号を記載します。
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1.特定居住用宅地等:被相続人が居住に利用していた宅地
2.特定事業用宅地等:被相続人の個人事業に利用していた宅地
3.特定同族会社事業用宅地等:被相続人の経営していた法人へ貸付をしていた宅地
4.貸付事業用宅地等:被相続人が経営する賃貸物件へ利用していた宅地
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①特例の適用を受ける取得者の氏名 [事業内容]
小規模宅地等の特例の適用を受ける相続人の氏名を記載します。
[事業内容]は種類番号2,3を選択した場合に相続開始前の事業を記載します。4を選択した場合は「貸家」と記載をします。
例:飲食サービス業、法律事務所、コンサルタント、貸家等
②所在地番
特例を受ける土地の所在地を記載します。
③取得者の持分に応ずる宅地等の面積
①に記載をした相続人が受け取る土地の地積を記載します。複数人で分割、マンション等で持分割合が1でない場合はその人が受け取る分を記載します。
④取得者の持分に応ずる宅地等の価額
③の地積の特例適用前の評価額を記載します。
⑤③のうち小規模宅地等の面積
③の地積のうち小規模宅地等の特例の適用を受ける分の地積を入力します。
適用を受けられる面積には種類に応じて限度面積が定められているのでその範囲内となります。限度面積は下段の「限度面積要件」の判定で確認をします。
⑥④のうち小規模宅地等の価額
③の価額のうち小規模宅地等の特例の適用を受けて減額対象となる価額を記載します。
計算式は次のとおりです。
④×⑤/③
⑦課税価格の計算にあたって減額される金額
⑥の価額に小規模宅地等の特例の減額割合(80/100もしくは50/100)を乗じた金額を記載します。
計算式
⑥×⑨(「限度面積要件の判定」に記載されている減額割合)
⑧課税価格に算入する価額
小規模宅地の特例を適用した後の価額を記載します。この価額を第11表の「財産の明細」の「価額」欄に転記します。
計算式
④−⑦
「限度面積要件」の判定
小規模宅地の特例には限度面積が設けられています。また限度面積は小規模宅地等の特例の種類によっても異なります。ここで上記「2 小規模宅地等の明細」の⑤欄の面積の合計が限度面積以下であることを確認します。
⑩⑤の小規模宅地等の面積の合計
今回の相続において小規模宅地等の特例を受ける種類毎の面積合計を記載します。
⑪限度面積
⑩で記載した面積をイ、ロの条件毎に限度面積以下となっているか確認をします。超えている場合は超えた分は適用対象外となりますので適用を受ける面積の調整をしてください。
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